フランス-アイセムス 更なる学際交流へ
仏国立医学研究機構、仏脳・脊髄研究所、仏大使館 アイセムスを訪問
2008年10月27日
フランス国立医学研究機構(INSERM)神経科学・神経学・精神科学研究所長 Alexis BRICE 教授、フランス脳・脊髄研究所(ICM)科学部長 Yves AGID 教授、フランス大使館 科学技術部 斎藤 文子 氏が、京都大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)を訪問しました。
訪問の目的は、文部科学省の新たな施策である WPI プログラムの採択拠点・アイセムスの組織運営について知る事と、将来的な共同研究や研究者の交流の可能性を探る事で、アイセムスからは拠点長の 中辻 憲夫 教授、山崎 猛司 副事務部門長、塚上 公昭 専門員ら 3 名が出席しました。
中辻 教授によるアイセムスの概要説明に対し、財務や人事、組織運営などについて多岐に渡る質問が挙がりました。例えば、能力給システム、定年に対する柔軟な考え方、様々な分野の研究者が混在する学際研究機関をいかに有機的に運営するか等、先進的で実験的要素を持つ WPI プログラムならではの質疑応答となりました。
他に、大学にありがちな「動きの遅さ」を解消するため採り入れた「拠点長の強い権限による迅速な意思決定システム」の好例として、アイセムスの付属施設として iPS 細胞研究センターを設置するのに要した期間の短さが挙げられ、フランスでも抱える問題をアイセムスがどう克服しようとしているかに、強い関心が示されました。
次いで、2010 年にパリのピティエ=サルペトリエール大学病院内に開所予定のICMに関し、INSERM やフランス国立科学研究センター(CNRS)といった研究機関との連携や、22,000 ㎡の建物面積と 600 人を超える細胞分子神経生物学者や医師を誇る研究所の構想についての紹介がありました。
ICM や INSERM との更なる交流と、将来的な協力関係の構築を互いに希望し、1 時間半にわたる意見交換を終えました。
フランス国立医学研究機構(INSERM)ウェブサイト(英語)
フランス脳・脊髄研究所(ICM)ウェブサイト(英語)
(右)iCeMS の概要説明をする iCeMS 拠点長 中辻 教授
(右)ICM の紹介をする ICM 科学部長 Agid 教授
(左・手前から)iCeMS 塚上 専門員、中辻 教授、iCeMS 山崎 副事務部門長
(右・手前から)Agid 教授、INSERM 研究所長 Brice 教授 、フランス大使館 斎藤 氏