ジョン・ガードン卿、iCeMSセミナーで講演

2010年11月29日

 英ケンブリッジ大学ウェルカム・トラスト/英国癌研究基金ガードン研究所教授のジョン・ガードン卿は26日、京都大学物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)で、第61回iCeMSセミナー「細胞の運命決定プロセス:卵子・卵母細胞による細胞核の初期化(リプログラミング)」の講師を務めました。

 ジョン・ガードン卿は、1950年代後半から60年代にかけ、ツメガエルの成体細胞の核を卵子に移植する実験で、分化した細胞を未分化な状態に戻し、さらに他の様々な組織になる事を証明しました。2009年には「細胞核の初期化と幹細胞に関する画期的な研究」が評価され、山中伸弥京都大学Extenal LinkiPS細胞研究所(CiRA=サイラ)所長・iCeMS教授と共に、アメリカで最高の医学賞とされるアルバート・ラスカー医学研究賞を受賞しました。

 京都大学Extenal Linkウイルス研究所、CiRAと共同で開催された本セミナーには、iCeMS内外から100人を超える参加がありました。会場となったiCeMS本館セミナー室だけでなく、セミナーの様子を同時中継した展示室も満席となりました。

 参加した多くの若手研究者に加え、中辻憲夫iCeMS拠点長や山中所長らからもジョン・ガードン卿への質問が挙がり、世代を越えた議論が交わされました。本セミナーの企画と司会を務めた楠見明弘iCeMS教授や、かつて博士研究員としてケンブリッジ大ガードン研究室に所属していた加藤和人iCeMS連携准教授らも議論に加わり、また補足説明をするなどして、参加者の理解を助ける場面も見られました。

 セミナー後にiCeMS本館の交流ラウンジで開催された交流会では、報道関係者を含む多彩な参加者がジョン・ガードン卿を囲み、また分野や所属の異なる研究者同士でも親交を深めていました。

 その後、iCeMS本館内を中辻拠点長が案内し、分野や研究室をまたいだ交流を促進するためiCeMSが重点整備している共用実験室やオープンオフィス等を視察しました。

会場となったiCeMS本館2Fセミナー室

セミナーの様子を同時中継した、iCeMS本館2F展示室

 
ジョン・ガードン卿と質疑応答をする中辻教授(左)

  ジョン・ガードン卿の講演に聞き入る山中教授(中央)

 
交流会でジョン・ガードン卿を囲む中辻教授、楠見教授(右)ら

  交流会で親交を深める、様々な分野・所属の研究者ら

 
ジョン・ガードン卿にiCeMS本館内を案内する中辻教授

  同左