海外メディア・各国総領事館・外資企業からの視察団がiCeMSを訪問

2010年12月17日

 近畿経済産業局は10日、「Extenal Linkバイオの都・関西ツアー:再生医療と万能細胞研究の今、未来」を開催し、英紙Financial Times、米誌TIME、米誌Fortune等を含む海外メディア・各国総領事館・外資企業から成る視察団を率いて京都大学物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)を訪問しました。

 本ツアーは、海外への情報発信および外資系企業の関西への進出を促進するために同局が企画したものです。関係省庁からの同行者も含め60名強となった視察団は、大阪大学医学部附属病院未来医療センター、独立行政法人医薬基盤研究所、iCeMS、京都大学iPS細胞研究所(CiRA=サイラ)の4機関を見学しました。

 iCeMSでは、産官学にまたがる国際ネットワークづくりの場として、交流ランチの時間を設けました。交流ランチ後は、iCeMS拠点長の中辻憲夫教授と、株式会社リプロセル代表取締役社長の横山周史氏によるセミナーが行われました。

 日本で初めて胚性幹(ES)細胞を樹立して分配体制を確立し、最近ではES細胞や人工多能性幹(iPS)細胞を用いてアルツハイマー等の疾患モデルの作成と創薬研究を進める中辻教授は、iCeMSの概要を紹介した後、「病態解明と創薬のための、多能性幹細胞の学際的研究と応用」について講演しました。

 横山氏は、世界で初めてヒトiPS細胞由来の心筋細胞や神経細胞を製品化した企業リプロセルの視点から「幹細胞ビジネス」について講演しました。

 参加者の国・業種・セクターが多種多様であった事も手伝い、どちらの質疑応答でも様々な観点から多くの質問が挙がりました。

 最後に、視察団は二班に分かれてiCeMS本館内を視察しました。iCeMSチェングループの亀井謙一郎助教と、iCeMS中辻グループの饗庭一博講師が、ES/iPS細胞等の研究に加えて各グループの最新の成果を紹介し、3時間にわたるiCeMSでの見学を終えました。

中辻教授の講演時(iCeMS本館2Fセミナー室)

横山氏の講演時(iCeMS本館2Fセミナー室)

 
交流ランチ(iCeMS本館2Fラウンジ)

  質問に答える中辻教授

 
質問に答える横山氏

  ナノパターンとマイクロ流体技術の幹細胞研究への応用等について説明する亀井助教(中央)

 
未分化のヒトES/iPS細胞を見比べる参加者らと、見た目には区別がつかない事を説明する饗庭講師(右)

  iCeMS本館内の視察時の様子