iCeMSとMRC-CRM、学術交流協定を締結

2011年3月30日

 京都大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)と英国エジンバラ大学 医学研究評議会(MRC)再生医学研究所(CRM)は、2011年3月30日に学術交流協定を締結しました。

 MRC-CRMが同協定を締結するのはiCeMSが日本で初めてです。中辻憲夫iCeMS拠点長は「双方の強みである幹細胞研究や医工学における協働と、学際・国際・産学公の連携の更なる強化が狙い」と話します。イアン・ウィルムットMRC-CRM理事長は「昨年iCeMSで招待講演の機会を得て以降も、相互の訪問と交流を続け、協定の締結に至った。今後、具体的な共同研究の可能性を探り、両国における再生医療の発展に貢献できれば」としています。

 2005年には、エジンバラ大と京都大の間で学術交流協定が締結されています。今回の部局間の協定により、両大学の連携が更に加速する事が期待されます。またMRC-CRMは、スコットランド政府が支援する、学術・産業界両方での融合研究が盛んなEdinburgh BioQuarter(1,000名を超える自然科学系の研究者を擁する、エジンバラ地域の学術・産業クラスター)内に立地するため、双方での学際研究の加速に寄与する事が期待されます。

 2011年7月には、エジンバラでの合同シンポジウムを予定しています。iCeMSからは中辻拠点長、上杉志成教授、ヤン・チェン教授、仙石慎太郎准教授ら、MRC-CRMからはチャールズ・フレンチ・コンスタント所長、ゴードン・マクリーン最高執行責任者ら、計10名程が登壇予定です。

政府関係者コメント

アン・マッコール(Anne MacColl)スコットランド国際開発庁(SDI)代表 チーフ・エグゼクティブ

「この度、京都大学iCeMSとエジンバラ大学MRC-CRM間で学術交流が行われることは、SDI代表として大変喜ばしく思っております。スコットランドは世界でトップクラスを誇る大学とダイナミックなライフサイエンス産業が発達していることもあり、幹細胞研究で秀でた地域です。日本とは長きにわたる交易の歴史がございますが、今もなお互恵関係にある日本と幹細胞研究における知識と成功事例を共有できることを大変光栄に思っております。日本とスコットランドの専門家の共同プロジェクトを促進させることはSDIの最重要事項であり、将来両国に利益をもたらすと信じています。」(2011年3月10日)

大山 真未 文部科学省 科学技術・学術政策局 科学技術・学術戦略官(推進調整担当)

「再生医学で世界をリードするMRC-CRMとiCeMSが緊密な連携を図ることにより、エジンバラ大学と京都大学の国際的な学術交流が一層進展することの意義は極めて大きいと考えています。MRC-CRMとiCeMSの協力により、今後の再生医学に世界トップレベルの研究成果がもたらされることを大いに期待しています。」(2011年3月10日)

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