iCeMS、ハイデルベルグ大SFB873と合同シンポジウムを開催

2011年7月28日

 京都大学物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)と独ハイデルベルグ大学 Extenal LinkSFB873(幹細胞の維持・分化に関する共同研究センター)は7月21日から3日間、ハイデルベルグ大構内にあるドイツがん研究所(DKFZ)で合同シンポジウムを開催しました。

 シンポジウムでは細胞生物学や物質科学などの分野で著名な研究者33人が登壇し、各々の最新の研究成果と知見を発表しました。ハイデルベルグ大の設立650周年であると同時に Extenal Link日独交流150周年にもあたる年の開催となったこのシンポジウムには、研究者・学生に加え、行政・企業・出版社などから約300人が来場しました。

 開会式では、京都大からは Extenal Link吉川潔理事・副学長、ドイツからはハイデルベルグ上級市長の Extenal Linkエッカート・ヴュルツナー博士、DKFZ所長の Extenal Linkオトマー・ヴィストラー教授、ハイデルベルグ大の Extenal Linkトーマス・ラウシュ副学長、SFB873代表の Extenal Linkアンソニー・ホウ教授らが登壇しました。吉川理事がドイツ語での祝辞を述べ終えた際や、ホウ教授がサッカー女子ワールドカップ優勝を称え「なでしこジャパン」をスライドで映した際は、ひときわ大きな拍手が起こりました。

 シンポジウムは「 Extenal LinkCrossing Boundaries: Stem Cells, Materials, and Mesoscopic Sciences(幹細胞、物質、メゾ科学の学際領域へ)」と題され、両機関の研究分野の多くを網羅する学際性が特徴的でした。そうした学際性から生まれる幹細胞技術イノベーションの可能性などについて、講演者と参加者が活発に意見を交わしました。

 最終日には、特に優秀な研究ポスターの作成と発表をした若手研究者に対しポスター賞の授与が行われ、シンポジウムは閉会を迎えました。

 両機関の交流は、1990年に京都大とハイデルベルグ大の間で締結された学術交流協定に端を発します。2010年7月にはハイデルベルグ大、ゲッチンゲン大、カールスルーエ工科大、大阪大、東北大、京都大の総長・学長らが集う日独6大学長会議がハイデルベルグ大で開かれました。その分科会「Life Sciences Meet Natural Sciences: Crossing the Border」では、中辻憲夫iCeMS拠点長と Extenal Link田中求ハイデルベルグ大教授が座長を務め、ホウ教授が講演者となりました。同年11月、ホウ教授らがiCeMSでの合同セミナーで登壇し、さらに同月、ハイデルベルグ大での幹細胞シンポジウムでは中辻教授が招待講演者となりました。

 活況となった今回のシンポジウムを受け、物質科学と細胞科学の学際研究における両機関の協働が、今後さらに加速することが期待されます。


ポスター賞受賞者



 
会場となったドイツがん研究所(DKFZ)の
コミュニケーション・センター
 
  会場内の様子
左から、田中求ハイデルベルグ大教授、アンソニー・ホウSFB873代表、吉川潔理事・副学長、
北川進iCeMS副拠点長、オトマー・ヴィストラーDKFZ所長、中辻憲夫iCeMS拠点長

 
サッカー女子ワールドカップ優勝を
称えるホウ教授
 
  エッカート・ヴュルツナー
ハイデルベルグ上級市長
 
ドイツ語で開会挨拶をする吉川理事
 
  休憩時間にも議論を続ける中辻教授とホウ教授
 
研究内容を紹介するポスターを使って議論を交わす研究者ら
 
 
ポスター賞を受賞した
ガネッシュ・パンディアンiCeMS研究員
 
  ポスター賞を受賞した諸根信弘iCeMS講師

 
ポスター賞を受賞した小玉裕之iCeMS研究員
 
  ホウ教授から記念の品を受け取る中辻教授
シンポジウム参加者らの集合写真