九州大学I²CNER、WPI6拠点合同シンポジウムを主催:iCeMSからは中辻憲夫教授が参加

2011年11月14日

 九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER=アイスナー)は福岡で12日、「世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)6拠点合同シンポジウム:最先端の科学と君たちの未来」を、他WPI拠点と共同で開催しました。

 定員600名を超える九州地方の中高生らが、福岡銀行本店大ホールに来場しました。ペトロフ・ソフロニスI2CNER所長や中辻憲夫京都大学物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)拠点長など各WPI拠点の研究者らが講演し、中高生らとのパネルディスカッションに臨みました。

 中辻教授は、「多能性幹細胞(ES/iPS細胞)の大きな能力と限りない可能性」というタイトルで、ES/iPS細胞を使った最先端の研究を紹介しました。iCeMSの説明に続いて、多能性幹細胞の分化万能性と自己複製能について解説し、これらの実用例として、アルツハイマーなどの疾病メカニズムの解明に向けた研究や、創薬における安全性試験などへの活用を挙げました。

 講演のあとのパネルディスカッションでは、12名の中高生が代表して各講演者に質問をする機会が設けられ、中辻教授は「人間の体細胞に組み入れられた遺伝子がどのようにはたらいてiPS細胞になるのか」、「ES/iPS細胞の医療現場での実用化の目処」、「ES/iPS細胞の癌化が起こらない最適な培養条件」等の質問に答えました。また、会場に集まった中高生へのメッセージとして、「研究においては今まで誰も成功していない事に挑戦しているのだから、10回やって9回は失敗するのがあたりまえ。人生でも重要なことに挑戦するとき、失敗はつきものと考えれば、失敗も次の成功に生かしていける」と述べました。

 会場外のロビーには、各WPI拠点を紹介するブースが立ち並びました。iCeMSのブースでは、「目で見る生命科学」というタイトルで、主にiCeMS研究者たちがとらえた研究映像を放映しました。パネルディスカッション終了後、ブースに立った中辻教授は中高生に囲まれ、研究のみならず科学者としての進路についてなど、様々な質問に答えました。


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写真


講演をする中辻教授
 

パネルディスカッション中の中高生ら
 

シンポジウム会場の様子
 

iCeMS紹介ブースで質問に答える中辻教授