SDIとiCeMS、ライフサイエンス・ワークショップを共催:スコットランド政府スウィニー財務大臣がiCeMSオープン・イノベーション・オフィスの設置を発表

iCeMSオープン・イノベーション・オフィスをエディンバラに設置する予定を発表するスウィニー大臣(右)

2013年5月9日

 京都大学物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)とスコットランド国際開発庁(SDI)は8日、同政府ジョン・スウィニー財務大臣の京都府表敬訪問に合わせ、ライフサイエンス・ワークショップを京都市内のホテルで開催しました。同ワークショップにはスウィニー大臣ほか、英国総領事館、再生医療に関連する主に京都の企業、両共催機関の関係者など約30名が参加しました。

 スウィニー大臣は開会挨拶で、昨年10月に締結したエディンバラ市と京都府の協力協定を改めて歓迎し、経済や学術における今後の交流促進に期待を寄せました。既に進んでいる取り組みとして、エディンバラ大学医学研究評議会(MRC)再生医学研究所(CRM)とiCeMSの連携を挙げました。具体的な予定について、スウィニー大臣は「エディンバラ・バイオクォーター内に、京都大学iCeMSオープン・イノベーション・オフィスを設置する。私が代表を務めるエディンバラ・バイオクォーターは、学術研究、産業応用、公共医療のためのスペースを一か所に集めたもので、基礎研究を臨床応用に橋渡しするトランスレーショナル医学を加速し、生命科学・バイオテクノロジーにおける大規模な共同研究を促進する、他に類を見ない施設。今年7月には、iCeMSオープン・イノベーション・オフィスの開所式が予定されている。新たな共同研究パートナーとなり得る企業や大学研究者と交流する場として多くの方にこのオフィスを活用いただき、また実際にスコットランドで事業展開して研究を産業化に結びつける可能性を模索いただければ」と紹介しました。

 中辻憲夫iCeMS教授・設立拠点長は、数度にわたる相互訪問を経て2011年に締結にいたった学術交流協定や、同年エディンバラで開催した合同シンポジウムを通して深まったエディンバラ大MRC-CRMとiCeMSの協力関係を、今後も温めていきたい旨を表明しました。iCeMSオープン・イノベーション・オフィスの設置について、中辻教授は「幹細胞を使った再生医学や創薬に取り組むのに、エディンバラ・バイオクォーターは最適と言ってもいいほどの環境。そのような恵まれた場所で、国際的な産学公連携を推進するためのスペースを確保できるのは、非常に有り難く光栄なこと。このオフィスを最大限に活用して、エディンバラ市と京都府、ひいてはスコットランドと日本の交流促進に僅かでも寄与できれば」としました。

 淺田孝iCeMS特任教授・研究企画セクションリーダーは、同ワークショップをSDI金谷保恒氏らと協力して企画し、座長を務めました。自身の講演では、これまでの連携の経緯や7月の開所式などについてより詳しく紹介し、iCeMSオープン・イノベーション・オフィスの活用を呼びかけました。

 

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スウィニー大臣(左)と、開会挨拶をする中辻教授(右)
 

左から、フランク・ボイランドSDIアジア駐在代表、スウィニー大臣、中辻教授、講演する淺田特任教授
 


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