iCeMS、3年連続で世界幹細胞サミットを共催

写真
関連リンク

2015年1月14日

　2014年12月3日から5日にかけて、テキサス州サンアントニオにて世界幹細胞サミット（WSCS）が京都大学iCeMSの共催により開催されました。米非営利機関ジェネティクス・ポリシー・インスティテュート（GPI）が主催する本サミットは、救命医療や再生医療の進展を促し、細胞治療を発展させることを目的としており、世界４０ヵ国以上から政治家・研究者・企業関係者・医療関係者などが参加しました。iCeMSによる共催は今回が三度目となります。

　iCeMS教授・設立拠点長の中辻憲夫がiCeMSの代表として開会の挨拶を務めました。中辻教授は「幹細胞研究の（医療などへの）応用を実現する為には、産学連携の必要性が益々高まっています。」と述べ、「本サミットは、幹細胞研究におけるさまざまなステークホルダーの連携を促し、協力関係を築くための最高の場を提供してくれると考えています。さまざまな分野からの参加者同士で互いに連携を深めていただき、特に日本からの参加者との連携が、将来の発展につながることを期待しています。」と大会に向けた意気込みを示しました。

　今回も、日本からは再生医療や幹細胞の分野を牽引する研究者や企業関係者が参加し注目を集めていました。iCeMSが中心となって開催したシンポジウム「Mass Culture System, QC, 3D Construction, Freezing System & Delivery System（大量培養システム、品質管理、三次元培養法、凍結システム、搬送システム）」では、最新の研究成果や商品・技術を紹介しました。講演者は中辻憲夫教授、山崎知巳（NEDO）、長谷川光一（iCeMS）、青山朋樹（京都大学大学院医学研究科）、西野泰斗（日産化学）、北川正成（タカラバイオ）、口石幸治（サイフューズ）、横山周史（リプロセル）、中道幹芳（玉井化成）の9名で構成され、50名以上の参加者が出席しました。

　サンアントニオ市長が出席したサミット授賞式では、再生技術などの医療研究を促進し、再生医療の発展に貢献したとして、日本再生医療学会が幹細胞アクションアワードを受賞しました。代表で賞を受け取った中内啓光教授（東京大学・スタンフォード大学）は「今年、日本で世界初のiPS細胞を使った臨床実験が行われましたが、これは国際的な連携と協力によってなしえた成果です。今後、こういった連携は幹細胞研究を進めるにあたって益々必要になるでしょう。」と述べました。

　また、京都大学iPS研究所の八代嘉美准教授は、疾患iPS細胞の創薬利用などの具体例について発表しました。

　浅田孝iCeMS特任教授は、ジャパンシンポジウムの企画・運営・司会および大会のポスター審査員を務め、またiCeMSのブースで研究機関および企業や大学と今後の連携の可能性について話し合いました。

　GPI代表のBernard Siegel氏は、iCeMSの共催機関としての参加に感謝の意を表しました。「今回、40名以上からなる日本代表団がサンアントニオに派遣され、海外からの参加国としては最も大きな存在感がありました。日本は世界の幹細胞分野を牽引する存在です。その中で中辻教授とはとても協力的な関係を築くことができ、嬉しく思います。来年も是非、共催機関としての参加を期待しています」としました。

　次回の世界幹細胞サミットは2015年12月10日から12日にかけて、ジョージア州アトランタで行われる予定です。