WPI-iCeMS、AAASサンノゼ大会に参加・出展

2015年2月25日

 京都大学iCeMSなど文部科学省 世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)の全9拠点は、2月11日から15日にかけ、米カリフォルニア州サンノゼで行われたアメリカ科学振興協会(AAAS)年次大会に合同でブースを出展しました。

 AAASは世界最大の総合学術団体で、米科学誌「サイエンス」を発行し、科学の発展と社会還元を目的としています。1848年から続いている年次総会には例年約60ヶ国から1万1,000人ほどが来場し、そのうち約4割が研究者です。他にも家族連れや中高生、政府関係者、ジャーナリストといった多様な層が参加します。 年次総会では、サイエンスに関わるあらゆる分野のブースを出展する他、学際的なものを含めた幅広いテーマについて、ブース出展、講演、シンポジウム、ワークショップ、セミナー、ビジネスミーティング、ポスターセッションが行われます。また、会期中の週末には”Family Science Day”というイベントが2日間催され、研究者のみでなく、子どもから大人までScienceを身近に感じ、触れられます。 まさに、多様な層の参加者が、日進月歩するサイエンスに触れ、知見を広げられる機会となっています。

 今回の会期中には、WPIを含め52の企業、大学、機関がブースを出展しました。 WPIブース出展においてはWPIプログラムおよびWPI拠点の国際認知度の向上、世界の科学コミュニティにおける日本の存在感の維持・向上をするのが狙いで、各拠点の概要を示したパネルを展示、パンフレット、ニュースレター、ノベルティを準備し、文部科学省、科学技術振興会、各拠点の担当者が、出展したブースに立ち寄った参加者にWPIのコンセプトと各拠点で行われている研究を紹介しました。展示期間の3日間をとおして、WPIや日本の研究機関に興味をもった研究者を中心に、延べ350名ほどの来場者が訪れました。向かいには北海道大学、筑波大学が出展し、ともに日本の存在感をアピールしました。

 今年の大会テーマは「Innovations, Information, and Imaging(参考訳:革新、情報、画像化)」。 AAAS会長のGerald R. Fink氏はこのテーマ内容について、「データの体系化、視覚化、分析の急激な進歩によってもたらされた科学、技術のあらゆる分野への変革に着目しています。」としています。 また、「科学情報がより世界的にオープンになり、科学、社会問題の解明方法が変化する一方、社会利益のために情報をどのように用いるべきか、情報の潜在的な危険性をどのように判断するべきか、情報が科学コミュニティ上でどのようにやりとりされるか、このようなことにじっくりと思慮をめぐらすことで、この改革を最大限にいかすことができるはずです。」としています。

 初日はAAAS会長の挨拶からはじまったこのプレナリー講演は、2日目から5日目の夜に行われ、同じ時間帯に他のプログラムは組まれないものとなっています。2日目以降は、Daphne Koller氏(”Coursera”代表取締役/ 共同創設者)、David Baker氏(ワシントン大学教授)、Karl Deisseroth氏(スタンフォード大学教授)、Neil Shubin氏(シカゴ大学教授)が講演しました。連日、参加者が一同に会し、大ホールには常に満席の聴衆で埋め尽くされました。

 今年は約300の様々なテーマについてプログラムが組まれた他、他の会場を貸し切っての産学連携のPR活動などの特別イベントも見られました。今回のテーマに沿い、映像技術や視覚に訴えるものが多く見られました。 一方、週末二日間に行われた”Family Science Days”には40の企業、大学、機関が体験型のブース出展をし、親子連れから研究者など、様々な来場者が興味に応じてブースを訪問しました。バラエティに富んだ開かれたムードの中、教育研究機関、企業、政府機関、メディア関係者らが活発に知識を共有し、交流しました。

 次回のAAAS年次大会は2016年2月11日から15日にかけ、米ワシントンDCにて開催される予定です。

文:京都大学 iCeMS 石橋麻耶


写真


会場:サンノゼコンベンションセンター


WPI合同ブース


WPI拠点紹介パネルの前に集まる来場者


WPIノベルティグッズと名刺


iCeMS広報刊行物を手に取る来場者


セッションの様子


一般市民が科学者と交流するファミリーサイエンスデーの様子