iCeMS、4年連続で世界幹細胞サミットを共催

2016年1月25日

 2015年12月10日から12日にかけて、ジョージア州アトランタにて世界幹細胞サミット(WSCS)が京都大学iCeMSの共催により開催されました。米非営利機関ジェネティクス・ポリシー・インスティテュート(GPI)が主催する本サミットは、救命医療や再生医療の進展を促し、細胞治療を発展させることを目的としており、世界40ヵ国以上から政治家・研究者・企業関係者・医療関係者などが参加しました。iCeMSによる共催は今回が四度目となります。

 iCeMS設立拠点長の中辻憲夫がiCeMSの代表として開会の挨拶を務めました。中辻設立拠点長は「高品質と低コストを両立しつつ、いかに細胞を大量培養するかは、患者や社会の利益にとって鍵となる課題です」と述べ、「そのためには、様々な技術・分野間の協力が必要です。本サミットは正にそのための場であり、今年も多くの成果が報告されることでしょう。」と大会に向けた意気込みを示しました。

 今回も、日本からは再生医療や幹細胞の分野を牽引する研究者や企業関係者が参加し注目を集めていました。iCeMSが中心となって開催したシンポジウム「Open Innovation for Large Scale and Cost Effective Cell Production System Using Human ES/iPS Cell Lines (ヒトES/iPS細胞を用いた大規模・低コスト細胞培養システムに向けたオープンイノベーション)」では、最新の研究成果や技術を紹介しました。講演者は中辻憲夫設立拠点長、長谷川光一講師(ともにiCeMS)、香川英章氏(フジフイルム)、Jessica Chang氏 (味の素)、口石幸治氏(サイフューズ)の5名で構成され、50名以上の参加がありました。

 また、京都大学再生医科学研究所の淺田孝特定教授は、ジャパンシンポジウムの企画・運営・司会および大会のポスター審査員を務めたほか、iCeMSのブースで研究機関および企業や大学の訪問者にiCeMSの紹介を行いました。

 GPI代表のBernard Siegel氏は、iCeMSの共催機関としての参加に感謝の意を表しました。「今回、40名以上からなる日本代表団がアトランタに派遣され、海外からの参加国としては最も大きな存在感がありました。日本は世界の幹細胞分野を牽引する存在です。その中で中辻教授とはとても協力的な関係を築くことができ、嬉しく思います。来年も是非、共催機関としての参加を期待しています」としました。

 次回の世界幹細胞サミットは2016年12月6日から8日にかけて、フロリダ州ウェストパームビーチで行われる予定です。


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Alan Fernandez(GPIアソシエイト・ディレクター)と中辻設立拠点長
 

開会挨拶を行う中辻設立拠点長
 

Bernard Siegel氏(GPI代表・左から3番目)とジャパンシンポジウムの登壇者
 
 
長谷川光一講師(iCeMS)、香川英章氏(フジフイルム)
 
Jessica Chang氏(味の素)、口石幸治氏(サイフューズ)
   
淺田孝特定教授(京都大学再生医科学研究所)

「エキスパートランチョン」にて参加者と意見交換をする淺田特定教授(左)と中辻設立拠点長(右)



 

「エキスパートランチョン」にて参加者と意見交換をする長谷川講師(右)


 

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