海外連携の新たな一歩へ:タイ王国VISTECと連携協定を締結

2016年3月16日


Limtrakul教授(右より3番目)と硬く握手を交わす北川拠点長(左より3番目)

 2016年2月29日、京都大学物質-細胞統合システム拠点 (iCeMS=アイセムス)はVidyasirimedhi Institute of Science and Technology (VISTEC)と連携協定を締結しました。

 VISTECは、2015年、タイ王国のシリントーン王女の名の下に同国の石油ガス公社(PPT)が設立した大学院大学です。iCeMSとは昨年4月のシリントーン王女のiCeMS訪問を契機に、イーサン・シバニア准教授が同校を訪問するなど、交流が始まりました。同校は、歴史は浅いながら、5年以内にタイ王国における材料・エネルギー科学分野での先導的研究教育機関に、10年以内に東南アジア地域におけるトップレベルの機関になるという明確な目標を掲げ、タイ国内外から優秀な人材を集めるとともに、最先端の研究環境を整えています。また同校では、エネルギー科学と分子科学分野に加え、iCeMSの研究分野のひとつである分子生物学分野の研究拠点を整備する予定です。

 世界トップレベルの研究機関を目指す同校が最初の協定先として選んだのがiCeMSであり、iCeMSにとっても、10年の節目を迎えるにあたって新たな連携先を模索していたなか、今回の協定は、更なる飛躍が期待できるものです。

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VISTEC評議会議長のパイリン・チューチョーターウォン氏のコメント:
「iCeMSとの包括協定は、VISTECにとって最初の包括協定である。今後も末永く協力していきたい」

北川進iCeMS拠点長のコメント:
「VISTECにとって初めての包括協定とのこと、たいへん名誉と誇りに思う。包括協定を超えて、両機関の学術・科学的協力体制を強化し、躍進するタイ王国のナッリジ・インフラストラクチャーの育成に尽力したい」

タイ王国大阪総領事館・総領事のドゥシット・メーナパン氏のコメント:
「両機関の関係は、昨年4月にシリントーン王女がiCeMSを訪問されて以来、始まった。2つの研究機関と国の協力体制の促進に尽力したい」


写真


調印式には、タイ側からVISTEC評議会議長のパイリン・チューチョーターウォン氏、VISTEC総長のJumras Limtrakul氏、タイ王国大阪総領事館・総領事のドゥシット・メーナパン氏が、iCeMSからは、北川進拠点長、イーサン・シバニア準教授をはじめ若手研究者が出席しました。


研究内容の説明を受ける北川拠点長(左)


教室での集合写真

 
iCeMS概要を説明する北川拠点長   「有機および有機―無機ハイブリッド太陽電池のための新材料開発」について研究発表する梅山有和 工学研究科准教授
 
「次世代燃料電池に向けたプロトン伝導性配位高分子材料の開発」について研究発表する堀毛悟史 工学研究科助教   「エネルギー貯蔵のための多孔性配位高分子」について研究発表を行う樋口雅一iCeMS助教


北川拠点長は、自身が合成した多孔性配位高分子を模したネクタイをVISTEC執行部とドゥシット総領事に手渡して、感謝の意を表しました。