第6回 iCeMSカフェを開催しました

掲載:2009年6月17日

第6回iCeMSカフェ

第6回iCeMSカフェ

第6回iCeMSカフェ

第6回iCeMSカフェ

第6回iCeMSカフェ

第6回iCeMSカフェ

 天気の良い土曜日の昼下がり、旧京都大学人文科学研究所を改築したiCeMSコンプレックス1 で第6回iCeMSカフェを開催しました。約30名の方々に足を運んでいただきました。
 今回のiCeMSカフェのゲストは、田中耕一郎さんと研究室のみなさん(白井さん、永井さん、廣理さん、蓑輪さん、西原さん、谷さん、篠北さん)です。
 最初に、田中さんからサイエンスを志したきっかけについてお話がありました。高校生の時に「動物のことば(ティンベルヘン著、渡辺宗孝・日高敏隆・宇野弘之訳、みすず書房)」という本に出会ったことがきっかけで、蝶々の研究をはじめたのが人生最初の研究であったそうです。
 その後、今日のテーマである「光」、特にわたしたちの目に見える「可視光」についての説明がありました。光は波の性質を持っており、その波の山から山への距離である「波長」の違いによって区別されます。そして、その波長が400nm(ナノメートル※)から700nmの範囲の光が目に見えているのだそうです。ちなみに、太陽光や蛍光灯の光には色々な波長の光が含まれています。
 それでは、太陽光や蛍光灯の光から色々な波長の光を分けてみよう!!ということで、厚紙とCD-Rのかけらを用いて分光器とよばれる光を分ける装置をつくることに。みなさん、お茶やお菓子のことをすっかり忘れてしまうぐらい、分光器づくりに没頭していました。
※1nmは1mmの1000分の1のさらに1000分の1。とってもとっても短いです。

 白色の光が様々な色の光に分けられたことに興味津々の様子でした。
 その後、隣の部屋に移動をし、本日のメインテーマ「見えない光」に関するお話を聞きました。「新しい目」をつくることができれば、わたしたちの目には見えない光も見ることができるのだそうです。ということで、実際に近赤外線が見える「CCDカメラ」や中赤外線が見える「サーモグラフィカメラ(マイクロボロメーター)」を用いて様々な物を見ると、可視光とは全く異なる見え方をしていました。普段は見えない「リモコンの光」や「冷たい水が温まっていく様子」を見ることができました。
(*最近話題のサーモグラフィーも体験しました。私たちの体から赤外線が出ている様子を見ることができます。)

 最後に、田中さんたちが研究している「テラヘルツ光(遠赤外線ともいうそうです)」についての説明がありました。テラヘルツ光を用いることで、水とお酒を見分けることができること、様々なものを透過して見ることができるのでセキュリティチェックに使用されていることなどの説明がありました。では、田中さんたちは何をしようとしているのでしょうか。田中さんたちは今、テラヘルツ光を用いて細胞を見ようとしています。ただし、今の技術では細胞のような小さなものを見ることはできないため、どんどんと改良を進めているところだそうです。わくわくドキドキするようなお話を聞いたところで、今日はおしまい。第6回iCeMSカフェは幕を閉じました。
 分光器のつくり方や当日のお話の内容については、iCeMSのwebページにある資料をご覧ください。
 「次回の案内を送って」などなど、ご意見やご案内を希望される方は science-cafe@icems.kyoto-u.ac.jp までご連絡ください。お待ちしています!!

文 :iCeMS科学コミュニケーショングループ
写真:iCeMS国際広報室


テーマ みえない光でみる
ゲスト 田中耕一郎さんと研究室のみなさん(白井さん、永井さん、廣理さん、蓑輪さん、西原さん、谷さん、篠北さん)
開催日時 2009年6月13日(土曜日)14時00分-15時30分
開催場所 Extenal LinkiCeMSコンプレックス1 本館 2F交流ラウンジ
当日の配布資料 PDF覚え書き(PDF: 208KB)
当日のあそび PDF反射型CD分光器の作り方&展開図(PDF: 1,487KB)
※どなたでもご自由にお使いください。
当日のお茶とお菓子 水出し煎茶(丸久小山園)、マロンタルトとほろほろ白クッキー(グーテ)
主催 京都大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)