第7回 iCeMSカフェを開催しました

掲載:2010年2月26日

第7回iCeMSカフェ

第7回iCeMSカフェ

第7回iCeMSカフェ

第7回iCeMSカフェ

第7回iCeMSカフェ

第7回iCeMSカフェ

 

 天気の良い土曜日の昼下がり、ゆったり気分でくつろげるiCeMSコンプレックス1本館・2階ラウンジで第7回iCeMSカフェを開催しました。約30名の方々に足を運んでいただきました。
 今回のiCeMSカフェのゲストは、杉山弘さんと研究室のみなさん。
 最初に、杉山さんから今回の主役であるDNA(デオキシリボ核酸)という「ひも状」の物質の説明がありました。DNAと聞くと「遺伝に関係ある?」と思う人も多いのではないでしょうか。でも、杉山さんは遺伝に関係する研究をしているわけではありません。杉山さんはDNAの「遺伝」という性質に注目するのではなく、「ひも状」という性質に注目しているのだそうです。
 実際にひも状のDNAを見てみよう!ということで始まったのが、サケのDNAを使った実験。DNAが水に溶けていて無色透明に見える溶液にアルコールを注ぎ込んでいくと、白色のもやもやとしたものが出てきました。このもやもやの正体がDNAだそうです。綿あめをつくる要領でガラス棒を使って巻いていくと、DNAを溶液から引きあげることもできます。
 なんと杉山さんはこのDNAを使って、編み物を織る要領でシートを作り上げるというのです。このシートが杉山さんの研究グループが研究材料として用いている「DNAおりがみ」。このDNAおりがみを折って、「箱」をつくることができたりもするそうです。また、自由自在にDNAを織ることによって、「スマイルマーク」のかたちをつくることもできるそうです。
 ただし、DNAはナノスケール(0.000001mmスケール)の世界の物質なので、マフラーを織る時のように、手を使うわけにはいきません。杉山さんによると、全く手を使わずに織っていくことができるのだそうです。種も仕掛けもなく、といいたいところですが、もちろん仕掛けは用意されています。その仕掛けとは2本のDNA同士が自然とお互いにくっつくという性質にあります。まるで磁石のN極とS極が引き合わされるかのように、2本のDNAが引き合わされるのです。少し難しくいうと、DNAを構成する4つの物質A、T、G、Cのうち、AとT、GとCがそれぞれ引き合ってくっつきます。
 ここまでくるとよくわからない・・・。ということで、クリップでつくったDNAの模型を使って、DNAを織るということを体験することに。みなさん、お茶やお菓子のことをすっかり忘れてしまうぐらいに、DNAで織るという遊びを楽しんでいました。
 その後は杉山研究室のメンバーとともに、テーブルごとにおしゃべりを楽しみました。実際にDNAを使って色々なかたちをつくる時に使っているというカラフルな設計図を見たりしながら、杉山研究室で行っている研究のことについて参加者みんなで話し込みました。その様子はまるで井戸端会議のよう。あっという間に1時間半が過ぎてしまい、今日はおしまい。第7回iCeMSカフェは幕を閉じました。
 各テーブルでどんな話があったか気になったあなた、次回のiCeMSカフェにいらっしゃい!

 「次回の案内を送って」などなど、ご意見やご案内を希望される方は science-cafe@icems.kyoto-u.ac.jp までご連絡ください。お待ちしています!!

文 :iCeMS科学コミュニケーショングループ
写真:iCeMS国際広報室


テーマ DNAを使っておりがみを織る
ゲスト 杉山弘さん(京都大学大学院 理学研究科 / iCeMS教授)と研究室のみなさん
開催日時 2010年2月13日(土曜日)14時00分-15時30分
開催場所 iCeMSコンプレックス1 本館 2F交流ラウンジ
当日の配布資料 PDF覚え書き(PDF: 1,059KB)
当日のあそび 材料:ゼムクリップ、カラーゼムクリップ(赤、黄、青、緑)
PDF配布資料(DNAおりがみの設計図)(PDF: 92KB)
当日のお茶とお菓子 小倉かおり(丸久小山園)、チョコレートケーキとハニークッキー&ココアクッキー
主催 京都大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)