第10回 iCeMSカフェを開催しました

掲載:2011年4月28日

第10回iCeMSカフェ

第10回iCeMSカフェ

第10回iCeMSカフェ

第10回iCeMSカフェ

第10回iCeMSカフェ

第10回iCeMSカフェ

 

 12月も後半に入り、本格的に寒くなってきました。iCeMSのお隣の関西日仏会館では、お庭に、クリスマス飾りを並べたマルシェ(市場)が出現していました。さて、私たちは、というと、iCeMSコンプレックス1本館・2階ラウンジで、22名の参加者の方々とともに、第10回iCeMSカフェを楽しんでいました。

 今回のiCeMSカフェのゲストは、橋田充さんと橋田グループのみなさんです。橋田グループの研究テーマは、一言でいうと「ドラッグデリバリーシステムの開発」です。「ドラッグデリバリー」と聞いて、「え??」と怪訝な顔をしているあなた。ご安心を。犯罪に手を染めている訳ではありません。病気を治すためのおくすりを、私たちの体の中の届けたいところに、届けたい時間に、しかも必要な量だけを届けるための仕組みを開発している研究グループです。

 中学生の頃、映画『ミクロの決死圏』を見たことが、ドラッグデリバリーシステムの研究を選んだ理由の1つかもしれない、という橋田さん。意識不明の科学者の命を救うために、医療チームが小さくなって体の中に入り治療する、という内容だったそうです。同年代の同僚にも、この映画のファンは多いのだとか。どんなストーリーなのか気になった方は映画を見てみて下さい。

 現実には、医療チームが私たちの体の中に入ることはできません。そこで、おくすりに、そして、おくすりの届け方にさまざまな工夫をする、というのが、現在行われている方法です。 脂質膜で包んだり、ポリエチレングリコールという物質で包んだりして、目的のところまでたどり着いてから効果を発揮するようにしているのだとか。

 また、特定の細胞におくすりが吸収されるように、おくすりに「タグ」を付ける(宛先が書かれた荷札を付けるようなイメージ)方法も研究中です。今回のiCeMSカフェでは、このドラッグデリバリーシステムを、4色のラムネ菓子を使ったゲームで再現してみました。参加者のみなさんには、あらかじめ名札に貼ってあったシールの色に応じて、臓器役(肺の役とか、肝臓の役とか)を演じていただきました。

 ゲームを楽しみながら、テーブルでは、「直接臓器に薬を注射するということができたりしないんですか?」とか、「研究のアイディアってどんな時にひらめくんだろう?」といったお話で盛り上がっていました。また、アンケートには、「薬について新しい一面が見えた気がします」「また別のテーブルでも話を聞きたい」といった言葉も並んでいました。クリスマスをイメージしたおいしいおやつも食べながらの約1時間半、いつにも増してあっという間に過ぎていきました。

 「次回の案内を送って」などなど、ご意見やご案内を希望される方は science-cafe@icems.kyoto-u.ac.jp までご連絡ください。お待ちしています!!

文 :iCeMS科学コミュニケーショングループ
写真:元木環


テーマ からだの中の宅配便
ゲスト 橋田充さん(京都大学 iCeMS主任研究者/大学院薬学研究科 教授)と研究室のみなさん
開催日時 2010年12月18日(土曜日)14時00分-15時30分
開催場所 iCeMSコンプレックス1 本館 2F交流ラウンジ
当日の配布資料 PDF覚え書き(PDF: 840KB)
当日のあそび 4色のラムネを使ったドラッグデリバリーゲーム
当日のお茶とお菓子 古都緑(丸久小山園)、クルミとバナナのパウンドケーキ、蜂蜜入りのクッキー、クリスマス風クッキー(グーテ)
主催 京都大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)