第14回 iCeMSカフェを開催しました

掲載:2013年1月16日

第14回iCeMSカフェ

第14回iCeMSカフェ

第14回iCeMSカフェ

第14回iCeMSカフェ

第14回iCeMSカフェ

第14回iCeMSカフェ

 

 12月9日(日)、iCeMS本館2階ラウンジでは、前日に引き続きiCeMSカフェが開催されました。この日もお天気が良いにも関わらず雪が降るほどの寒さ。そんな中、12名の方にご参加いただきました。

 今回のiCeMSカフェ:“iPS細胞と「倫理と社会」と私”のゲストは、加藤和人さんと加藤研究室のみなさんです。加藤さんは「医の倫理と公共政策」についての研究・活動を進めています。加藤さんの原点ともいえるのが今年ノーベル賞を受賞したJ. B. Gurdon教授と共に英国で研究をしていた時の体験なのだそうです。英国で科学コミュニケーションの必要性を感じた加藤さん。日本に帰国してからは、科学を社会の中でどのように位置づけ、どのように動かすか、という研究を始めたそうです。

 iCeMSカフェのはじめに、ES細胞やiPS細胞についての簡単な説明とそれに付随する倫理的・社会的問題について加藤さんが簡潔に説明しました。科学や科学にまつわる倫理的な課題を考える際には、公共政策という大きな視点を持つことも大切だといった話もあり、参加者のみなさんは熱心に耳を傾けているようでした。

 今回のiCeMSカフェには様々なバックグラウンドを持つ人が集まったように感じます。医師、医学部で勉強をしている大学生、科学に興味があるという会社員の方などです。各々が自分の倫理観や社会観を話すことで、幅の広いお話が出来たのではと思います。偶然同じテーブルになったメンバーで、それぞれの会話を楽しんでいらっしゃいました。「お互いの考えに耳を傾けると言う場ができていてよかった」という参加者の方からのコメントが印象的でした。

 3つのテーブルではそれぞれ違った方向に話が展開したようです。研究についてまわるリスクのこと、研究が規制される場合もあるということ、社会の価値観によってその規制の基準も変わること、などなど。社会の価値観と研究の規制とをなるべくすり合わせていくためには大学という場所とその中で行われている研究についてもっと国民に説明する場所を設けるべきだという話も聞かれました。iCeMSカフェは数少ないそのような場であるとの声も聞くことができ、嬉しく思いました。

 倫理的な課題や社会的な課題には「正解」はありません。だからこそ、みなさんとの話は弾んだようで、温かいほうじ茶や美味しい京菓子(可愛らしいクリスマスキャンドルのおまけつき!)と共に過ごす時間はあっという間に過ぎたのでした。

 「次回の案内を送って」などなど、ご意見やご案内を希望される方は science-cafe@icems.kyoto-u.ac.jp までご連絡ください。お待ちしています!!

文 :中澤陽(京都大学法学部2回生)、iCeMS科学コミュニケーショングループ
写真:大森貴生


テーマ iPS 細胞と「倫理と社会」とわたし
ゲスト 加藤和人(京都大学iCeMS 特任教授/大阪大学 教授)、他 加藤研究室のみなさん
開催日時 2012年12月9日(日曜日)14時00分-15時30分
開催場所 iCeMS本館 2F交流ラウンジ
当日のお茶とお菓子 ほうじ茶 小倉かおり(丸久小山園)、お抹茶パウンド(京洋菓子司 ジュヴァンセル)、クリーム五色豆(京都・夷川 豆政)、ほろほろ佇古礼糖 柚子(京都 北山 マールブランシュ)
主催 京都大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)