NHK Eテレ『考えるカラス』連動ワークショップ「ここから先をみんなで考えてみる」(2015年夏)を開催しました

17th iCeMS Cafe

掲載:2015年9月29日

考えるカラスワークショップ

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2015年8月1日、2日、グランフロント大阪・ナレッジキャピタルにて「NHK×滋賀大×京大 NHK Eテレ『考えるカラス』連動ワークショップ「ここから先をみんなで考えてみる」を開催しました。初級編「お盆と風船」、中級編「ゴマ塩のつぶ」、上級編「アリとマジックペンの線」の3種類を2日間で合計5回実施し、小学校3~6年生のお子さんと保護者の延べ33家族のみなさまにご参加いただきました。

ワークショップはNHK Eテレ『考えるカラス」の番組動画の視聴から始まりました。中級編「ゴマ塩のつぶ」では、市販のごま塩の代わりにごまと塩を混ぜてごま塩を作るお話を視聴しました。市販のごま塩はごまと塩が綺麗に混ざっていますが、お手製のごま塩はいくら振っても、塩とごまは2層に分かれたまま(塩の上にごまが乗った状態)になってしまいます。これはなぜでしょうか?

よく観察すると、市販のごま塩の中に入っている塩は、普通の塩よりも粒が大きいようです。大きさが関係するのでしょうか。番組の中ではごま塩の塩をすりつぶして小さくする実験をしていましたが、会場ではまたちょっと違った実験をしてみました。ごまや塩の代わりに、3種類の玉が配られました。木製の玉やビー玉です。

市販のごま塩が混ざる理由は次のうちのどれでしょうか?
①大きさが同じだから 
②重さが同じだから 
③その他

この問いに答えるべく、3種類の玉と透明の容器を使って、ひたすらシェイク! 会場中にシャカシャカシャカと玉を混ぜる音が響き渡りました。玉を入れ替え、何度も実験をしているうちに実験結果を忘れる人が続出。でもそんなハプニングから、結果を表でまとめたり、イラストで結果を書き留めたりする工夫が生まれました。「これとこれを混ぜたらこうなるから、②は違うはず」、「あれとこれだと混ざったから、こうだと思った」など、実験をもとに自分の考えを深めていきました。「摩擦が関係するのでは」という新説も登場し、大いに盛り上がりました。

ワークショップの最後に「なんで?と子どもたちが疑問を持ってきたときはチャンスです。ぜひ『あなたはどう考える?』と聞いて、仮説を持つことを歓迎してほしい」と、iCeMSの佐藤綾さんから保護者へのメッセージが贈られました。科学者にとって仮説は研究を進めるための大切な第一歩です。

このワークショップが終わった後も“みんなが考えるカラス”。身近な謎に対して仮説を立てながら考えを深めていってくれることを願っています。

文:熊谷香菜子(日本科学未来館 科学コミュニケーター)、iCeMS科学コミュニケーショングループ


講師 加納圭 滋賀大学教育学部 准教授/京都大学iCeMS 特任准教授(科学コミュニケーショングループ)
佐藤綾 京都大学iCeMS 研究員(Carltonグループ)*8月2日のみ
日時 2015年8月1日(土)
  1回目 13時00分-14時00分(初級編)
  2回目 14時30分-15時30分(中級編)
  3回目 16時00分-17時00分(上級編)
2015年8月2日(日)
  1回目 14時00分-15時00分(初級編)
  2回目 15時30分-16時30分(中級編)
会場 8月1日(土)
  うめきた・グランフロント大阪北館8階
  ナレッジキャピタル内 タワーC カンファレンスルーム06
8月2日(日)
  うめきた・グランフロント大阪北館1階 ナレッジキャピタル内 カフェラボ
ワークショップ主催

「科学の考え方」に着目した科学教育プログラム開発プロジェクト
(加納圭、水町衣里、元木環、塩瀬隆之、熊谷香菜子、竹内慎一)

*このワークショップは、一般社団法人ナレッジキャピタル主催の「Extenal Linkワークショップフェスinナレッジキャピタル 2015 SUMMER」の一環として実施されました。