栄誉

2016年10月12日

高野勇太助教が大澤賞を受賞

 京都大学iCeMSの高野勇太(たかの・ゆうた)特定拠点助教がフラーレン・ナノチューブ・グラフェン学会の学会賞である第13回大澤賞を受賞することになりました。

 本学会は、ナノ炭素物質の理論・実験・応用開発に関する研究学会です。大澤賞は、フラーレン(多数の炭素原子が網目のようにつながった球状のナノ炭素物質)およびその関連物質について優秀な学会発表を行った若手研究者に授与されます。

 今回高野助教は、フラーレンに関する基礎・応用研究に関する業績と、口頭発表「Utilizing a caged electron spin of an endohedral metallofullerene for molecular location sensing(金属内包フラーレンの炭素ケージ内電子スピンを利用した分子位置検知)」の内容が高く評価され、受賞に至りました。この発表は、フラーレンの炭素殻内にとらわれた金属の特異な性質を利用した研究に関するもので、将来的には、生体機能解明のために細胞内の物質を探知するレーダーとしてはたらく分子ツールの開発や、量子コンピューターの発展に役立つナノスケールの分子磁石の開発につながることが期待されています。

 授賞式は来年3月2日に東京大学にて行われる予定です。

一般的なフラーレン。網目のように球状に結合した姿はサッカーボールに例えられる。
高野助教が研究する、殻内に金属分子を内包したフラーレン。

関連リンク

フラーレン・ナノチューブ・グラフェン学会:学会賞