京大、日本で初めてedXに参加:最初の講義は上杉志成教授による「生命の化学」

京都大学で記者会見に臨む(左から)土佐尚子情報環境機構教授、中村佳正学際融合教育研究推進センター長、松本紘総長、上杉志成iCeMS副拠点長・化学研究所教授、美濃導彦情報環境機構長、飯吉透高等教育研究開発推進センター教授
2013年5月21日
京都大学は21日、米ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)が2012年に設立した非営利の教育機関「edX」(本部:米マサチューセッツ州ケンブリッジ)に、日本で初めて参入したことを発表しました。
edXは世界トップレベルの大学の講義をインターネットで無料配信するだけでなく、オープンソースの教育プラットフォームの開発と大学間ネットワークの構築を通じて、オンラインとキャンパス双方において「学生たちがどのように学ぶか」を研究し、教育改善に取り組むことが特徴です。今回、京都大学を含む15の大学が新たに加わり、edXに参画する機関数は27となりました。これまでのedX登録者数は、世界で90万人以上です。
京都大学がedXを通じて提供する講義シリーズは「KyotoUx」と名付けられ、その第一弾として上杉志成iCeMS副拠点長・化学研究所教授による「
生命の化学:Chemistry of Life」が選ばれました。今年夏に受講募集を始め、来年春から配信を開始する予定です。
京都大学がedXに参加する理由は、以下のとおりです。
- ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)に代表される世界のトップ大学連合による非営利組織によって運営されていること
- edXを通して提供される「Massive Open Online Courses」(MOOC:ムーク)と呼ばれるインターネットを利用した新たな教育方法が、プラットフォームと講義コンテンツのオープンソース化に基づいていること
- 自らのオンライン講義だけではなく、参加大学のオンライン講義とキャンパスでの対面講義の相乗効果を活かすブレンディッド学習(Blended Learning)による教育改善を重視していること
- edXによって収集されるオンライン学習データの分析と教育効果の検証を通じて、授業を提供する京都大学の教育開発の支援が可能となること
詳細については、京都大学ウェブサイト、
京都大学OCWウェブサイト、
edXプレスリリース(英語)をご覧ください。

(左から)中村センター長、松本総長らとedX参加の意義を説明する上杉教授

(左から)上杉教授、美濃機構長らと記者の質問に答える飯吉教授
アナント・アガルワルedX会長からのビデオメッセージ
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