第5回 iCeMSカフェを開催しました
前回に引き続き、花いっぱいの神戸花鳥園にて、第5回iCeMsカフェを開催しました。約30名の方に足を運んでいただきました。
(写真撮影:大森 貴生)
今回のiCeMSカフェのゲストは、見学 美根子さんと見学研究室のみなさん。
見学さんたちは「細胞が生まれ、適切な場所に移動し、からだをかたちづくっていく仕組み」に興味を持っています。この仕組みを解明するために見学さんたちが挑戦している課題は、「脳がどのようにしてかたちづくられていくか」について。からだの中で最も複雑な組織からできている脳を研究材料に使うことで、細胞の誕生、分化、移動がどのようにしてなされているのかについて明らかにしようとしているのです。(注:“細胞が分化する”とは、細胞のかたちやはたらきが特殊化していくことを指します。)
はじめに、見学さんから細胞の基本的なはたらきについてのお話がありました。細胞はそれぞれ少しずつ違う形で、隙間なく張り合わされることもあれば、お互いのテリトリーをすみ分けるように並んでいることもあるということ。そのモデルとして神経細胞を使っていて、からだの中でどのようにして細胞どうしがフレキシブルに、かつ調和的に配置されていくのかについて研究をしていることをお話してもらいました。研究室で実際に扱っているのは、神経細胞です。その特徴についての簡単に紹介してもらった後は、各テーブルにいる研究室メンバーから、いろいろと具体的なお話を聞くことができました。
今回は5人研究室メンバーが参加していたので、お客さんにも5つのグループに分かれて座っていただきました。5つのグループのうち1つは、アメリカ出身の研究員と英語でお話をするグループです。このグループには、大学生、予備校の英語講師、花鳥園スタッフの方などに参加していただきました。スケッチブックに神経細胞の模式図を書いたりしながら、大いにディスカッションが盛り上がっていました。その他のテーブルでも、「なぜ幼児期に習得したことはずっと記憶されているのに、大人になって覚えたことはそうでもないのか。」などといった魅力的なテーマについてディスカッションがなされていました。
グループごとのお話の時間が40分ほど続いた後、最後に見学さんから今後の研究の行方についてお話があり、第5回iCeMSカフェは幕を閉じました。終わりの挨拶があった後も、ディスカッションが続いたり、見学さんたちが研究で使っている動画(細胞が動いている様子など)をパソコンで見たりと、なかなか帰ろうとしない方々が多かったのが印象的でした。今回のiCeMSカフェの内容にご興味を持たれた方は、当日配付資料をご覧ください。
次回(第6回)はゲストに田中 耕一郎さんを迎えて、6月中旬に行われる予定です。「次回の案内を送って」など、ご案内を希望される方は
science-cafe@icems.kyoto-u.ac.jp
までご連絡ください。それでは、6月にまたお会いしましょう。
テーマ | からだの中のかたちづくり |
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ゲスト | 見学 美根子さん(と 研究室のみなさん) 京都大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)准教授 |
開催日時 | 2009年2月21日(土曜日)14時00分-15時30分 |
開催場所 | ![]() 三宮駅よりポートライナー空港線に乗車し、14分 「ポートアイランド南(花鳥園前)」駅下 駅前4mで花鳥園入り口 |
主催 | 京都大学 物質-細胞統合システム拠点 |
共催 | ![]() ![]() |
協力 | ![]() |