アイセムスリトリート2025を淡路夢舞台で開催
アイセムスは9月29日から30日にかけて兵庫県・淡路夢舞台で年次リトリートを開催し、研究者、学生、スタッフが一堂に会し、研究交流を行いました。
開会にあたり、開催委員長の Ganesh Pandian Namasivayam 講師が挨拶し、続いて上杉志成拠点長からのメッセージがありました。その後、若手研究者による化学分野のフラッシュトークが行われ、2分間ずつ自身のポスター発表の内容を紹介しました。
昼には、ランチとともにアイスブレイクセッションが行われ、チームに分かれてクイズやミニゲームに挑戦し、得点を競いました。
招待講演では、石井健教授(東京大学 医科学研究所)が核酸ワクチンとアジュバントの研究について講演し、続いて生物学分野のフラッシュトークが行われました。その後、鶴田想人特任助教(東北大学 ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進センター)による「ジェンダード・イノベーション」をテーマとした講演やパネルディスカッションを含む、ダイバーシティ&インクルージョンセッションが開催されました。さらにポスターセッションで研究成果が紹介され、夕食とネットワーキングを通じて交流が深まりました。
2日目は、原田慶恵教授(大阪大学 WPI-PRIMe)による、神経分化における細胞内温度シグナルの役割に関する講演で幕を開けました。続いて、アイセムスが運営するタイのオンサイトラボ「スマート材料研究センター」で研究を行う、ウィタヤシリメティー科学技術大学院大学(VISTEC)博士課程学生 Karnjana Atthawilai さんによる研究発表がありました。
休憩を挟んだ後、樋口雅一特定拠点准教授(アイセムス イノベーションユニット)から、スタートアップ立ち上げを支援する取り組み「iCeMS Venture Studio」の紹介が行われました。続く産業とスタートアップに関するパネルディスカッションでは、William Baber 教授(京都大学 経営管理大学院)がファシリテーターを務め、Carlos Correa氏(立葵)、浅利大介氏(Atomis)、石井健教授(東京大学)、Easan Sivaniah 教授(アイセムス/OOYOO)、勝田陽介准教授(熊本大学/StapleBio)、Ganesh Pandian Namasivayam 講師(アイセムス/ReguGene)が議論に参加し、研究と起業、イノベーションをつなぐ視点が共有されました。
午後には、Peter Carlton 准教授(京都大学 大学院生命科学研究科)と勝田陽介准教授(熊本大学 大学院先端科学研究部)による卒業生トークが行われ、アイセムスでの経験が研究者としての歩みにどのようにつながったかが語られました。また、松井理紗研究員(アイセムス 鈴木研究室)が、自身の細胞システムに関する研究を紹介し、この夏アイセムスの派遣支援制度を利用して訪問したドイツでの研究活動を報告しました。
最後に、ポスター賞授与式(受賞者は文末に掲載)と Namasivayam 開催委員長による閉会の挨拶が行われ、来年度の開催委員長となる Daniel Packwood 准教授の紹介がありました。今回のリトリートは、研究交流から科学の世界におけるインクルーシブネスのあり方、さらにはイノベーションに関する情報交換など、多岐にわたるトピックを通じて、科学を発展させていくための多角的なアプローチを行うアイセムスの姿勢を改めて確認する機会となりました。
ポスター賞受賞者
化学分野
- Sooyeon Kim “Real-time stain-free imaging of self-assembly formation” (Grand Prix)
- Yuta Suzuki “Nature-Inspired Design of Protein Self-Assembly: Toward Dynamic and Life-Mimetic Functional Materials” (Excellence Prize)
生物学分野
- Shen Mianning “DNA for DNA: Programmable Nano-Architectures as Space-Pores for Nucleobase and Modification Sensing” (Grand Prix)
- Jaeyeon Suh “Investigating a Lipid Scramblase in the Golgi Apparatus” (Excellence Prize)







