栄誉

2025年10月8日

北川進特別教授のノーベル化学賞受賞が決定しました

北川 進 特別教授

 ノーベル財団(本部:スウェーデン)は、日本時間の10月8日(水)夕方、ノーベル化学賞を北川進アイセムス特別教授に贈ると発表しました。共同受賞者は、リチャード・ロブソン教授(メルボルン大学)、オマー・ヤギー教授(カリフォルニア大学バークレー校)です。受賞理由は「多孔性金属錯体の開発」です。

 北川特別教授は、金属イオンと有機化合物とを結合させて、ナノメートルサイズの規則的な孔を無数にもつ新しいタイプの多孔性材料(多孔性金属錯体:MOF)を開発しました。このような材料の細孔中に気体を大量に取り込むことができることを1997年に世界で初めて立証し、これをきっかけに、種々のMOFによる水素や天然ガスの大量吸蔵を行う研究が世界中で盛んに行われるようになりました。MOFは、気体の貯蔵や分離、さらには違う性質を持った気体への変換のための触媒としての利用が期待されており、今後の応用に広い可能性を秘めています。同氏の業績は、無機・錯体化学はもとより、今日のエネルギー、環境、生命などの問題に対し、化学が解決するために取り組む新領域の開拓を先導し、国際的に高く評価されています。

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ノーベル財団

北川進

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