高校生向け実験教室「iCeMS/CiRAクラスルーム2010:幹細胞研究やってみよう!」を開催します

2010年7月2日
京都大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)及び京都大学iPS細胞研究所(CiRA=サイラ)は8月4、5日にiCeMS本館で、幹細胞研究に焦点をあてた高校生向け実験教室を共同開催します。この実験教室は、京都大学と京都府教育委員会との連携事業の一環として実施します。
幹細胞研究に日々取り組んでいる若手研究者が講師となり、科学の知識(幹細胞とは何かなど)のみならず、科学の営み(研究者が行っている研究過程など)を高校生に伝えることを目的とした実験実習プログラムです。昨年度に続き、2回目の開催となります。
幹細胞の中でも特に多能性幹細胞(ES細胞やiPS細胞など)に焦点を絞り、与えられた課題について「仮説設定→実験・検証」を行っていきます。本プログラムでは、高校生が幹細胞研究の疑似体験をすることができます。
日時 | 2010年8月4日(水)13:00~17:15 2010年8月5日(木) 9:30~17:15 |
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場所 | 京都大学iCeMS本館2F展示室&セミナー室 (京都市バス「京大正門前」下車すぐ/「東山東一条」交差点北西角) |
講師 | 熊谷 英明 京都大学 再生医科学研究所 博士課程(中辻憲夫研究室) 小倉 綾 京都大学 再生医科学研究所 博士課程(高橋淳研究室) |
対象 | 高校生 生物Ⅰ、理科総合Bを履修した、もしくは現在履修している方、また2日間とも参加できる方に限ります。希望者多数の場合は、ご希望に添えない場合があります。宿泊が必要な方は各自でご手配ください。 |
募集人数 | 32人 |
参加費 | 600 円(但し、昼食代として) |
申込方法 | 申込フォームにて必要情報を入力 ※締切:7月19日(月) |
主催 | 京都大学物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス) 京都大学iPS細胞研究所(CiRA=サイラ) |
共催 | 京都府教育委員会 |
協力 | オリンパス株式会社 |
後援(予定) | 京都市教育委員会、大阪府教育委員会、大阪市教育委員会、兵庫県教育委員会、滋賀県教育委員会 |
企画趣旨
ES細胞やiPS細胞の性質(自己複製能、多分化能など)といった「科学的知識」だけでなく、"科学的知識が仮説検証の繰り返しで紡がれている"、"倫理的問題は科学では解決できない問題である"といった「科学それ自体についての知識」を高校生に習得させることが本実験教室の主目的です。
「科学それ自体についての知識」、これが今の高校生に欠けている部分であると、私たちは考えています。事前知識としては、生物Ⅰの「細胞」「生殖と発生」を学習していることが望ましいと考えています。したがって今回は「生物Ⅰ、理科総合Bを履修した、もしくは現在履修している」生徒を対象としています。
実験操作や本実験教室に関わる基礎知識は8月4日(水)の半日で学習できるようにプログラムを組んでいますので、幹細胞に関する知識は必要ありません(特に幹細胞に詳しい生徒を募集しているわけではありません)。また、8月2、3日に同実験教室を受講した高校教員(京都府下)8名が、各班(4名の高校生からなる全8班)に1名ずつティーチングアシスタントとして入り、高校生をリードしていく予定です。
当日のスケジュール(予定)
8月4日(水)<事前学習日> 担当:加納、水町、高校教員8名
12:30 ~ 13:00 受付
13:00 ~ 13:10 挨拶&趣旨説明
13:10 ~ 14:00 【実習】アイスブレイク/安全学習/ピペットマン操作練習
14:00 ~ 14:10 休憩
14:10 ~ 15:00 【レクチャー】 事前学習(細胞/ゲノム/幹細胞)
15:00 ~ 15:10 休憩
15:10 ~ 16:00 【レクチャー】 事前学習(バイオイメージング/科学の営み)
16:00 ~ 16:10 休憩
16:10 ~ 17:15 【実習】 顕微鏡操作練習「繊維芽細胞の観察」&スケッチ
8月5日(木)
09:00 ~ 09:30 受付
09:30 ~ 09:40 挨拶&本日の流れを説明
09:40 ~ 10:10 【レクチャー】「研究者の1日って?」
10:10 ~ 10:40 【レクチャー】「ES細胞とiPS細胞」/仮説をたてる
10:40 ~ 12:10 【実習】ES細胞とiPS細胞の観察、比較
12:10 ~ 13:10 昼食
13:10 ~ 13:50 【実習】 免疫染色の準備
13:50 ~ 14:00 休憩
14:00 ~ 15:00 【実習】 神経細胞の観察
15:00 ~ 15:40 【実習】 免疫染色したiPS細胞の観察
15:40 ~ 16:10 【実習】 思考実験
16:10 ~ 16:40 【実習】 仮説の再考
16:40 ~ 17:15 修了証書 授与式
特徴、参考情報など
- 京都大学と京都府教育委員会との連携事業の一環として実施します。
- マウスES細胞、マウスiPS細胞、ヒトiPS細胞を実際に扱う事ができる、極めて稀な実験教室です。
- プログラムの最後に、参加者には 中辻 憲夫 iCeMS 拠点長および 山中 伸弥 CiRA 所長名の修了証書が授与されます。
- 2010年8月2、3日に、京都府下の生物系の高校教員を対象とした教員研修を本実験教室と同じプログラムで実施します。そのうち8名が、本実験教室のティーチングアシスタントとして参加します。
- 前回の様子が、独立行政法人科学技術振興機構(JST)サイエンスチャンネルの「こちら!サイエンスJr.編集部」で、特集番組として放映されます(2010年7月3日から放映開始予定)。
問い合わせ先
- <実験教室について>
京都大学iCeMS 科学コミュニケーショングループ
水町 衣里 研究員、加納 圭 助教 | Tel: 075-753-9784 | Email: kato-g@icems.kyoto-u.ac.jp - <iCeMSについて>
京都大学iCeMS 事務部 国際広報セクションリーダー
飯島 由多加 | Tel: 075-753-9755 | Email: yutaka-iijima@icems.kyoto-u.ac.jp - <CiRAについて>
京都大学CiRA 研究戦略本部 国際広報室
川上 雅弘 | Tel: 075-366-7005 | Email: cira-pr@cira.kyoto-u.ac.jp - <京都府教育委員会について>
京都府教育庁指導部学校教育課 参事
丸川 修 | Tel: 075-414-5822 | Email: o-marukawa23@pref.kyoto.lg.jp
![]() 7月1日の記者発表で質問に答える(左から)加納圭iCeMS助教、水町衣里iCeMS研究員、川上雅弘CiRA研究員 |
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