京大、海外からedX優秀生6名を招待

2014年7月15日

前列、左から: Hue Vuさん、 Rihards Aleksisさん、上杉志成教授、松本紘総長、吉川潔理事、Karla Pineda Aristaさん。後列:飯吉透教授、Uros Todorovicさん、Graham Wimbrowさん、Ace Spencer Apolonioさん、土佐尚子教授

 Extenal Link京都大学は8日から14日にかけて、インターネット配信する講義「Extenal Link生命の科学」で優秀な成績を収めた6名を日本に招待しました。Extenal Link edX講義は京都大学が初めて提供する「大規模公開オンライン講座(MOOC)」で、化学と生物学の融合を題材とした、アイディアの創出をテーマとしています。

 受講者同士がお互いを採点しあうピアレビュー評価に加え、各自の研究計画をまとめた2分間のYouTubeビデオを通して採点が行われました。担当の上杉志成iCeMS教授は、「6名に絞り込む作業は容易ではありませんでした。最終的には意気込みやオリジナリティーのある生徒を選びました。」と話しました。

 優秀生はベトナム、ラトビア、セルビア、ペルー、フィリピン、米国から招待されました。

 ペルーの大学でバイオテクノロジー工学を勉強したKarla Pineda Aristaさんは、「京都大学という世界でも名高い大学の授業を受けられたことに満足しています。考える力をつけてくれるような、参加型授業はとてもおもしろかったです。この訪問を通して、京都大学で博士号を取得したいと思いました。」と今後の意気込みを語りました。

 Ace Spencer Apolonioさんは、大学一年時に経済的な理由でやむを得ず学業を中断しましたが、「就業可能な年齢に達するまでの間、無料で勉強する方法を探していたところ、edXの講座にたどりつきました。授業が進むにつれて化学にも興味がわいてきたので、将来HIV/AIDSや癌治療など人類に役立つ研究がしたいです」と語りました。

 美術大学を卒業したGraham Wimbrowさんは、現在レッドロックキャニオンのアートプログラムコーディネータを務めており、「アイディア創出という能力は、アートにも応用できるツールなので、今後の活動に役立てていきたいです。」と話していました。

 6日間の滞在を通して、生徒らは上杉教授が副拠点長を務めるiCeMSや、化学研究所などを含む様々な施設の見学、学生・研究者との交流、研究計画の発表などを行いました。

 「経済的な問題を抱える人や、ディスレクシア(識字障害)の生徒も無料で世界中どこでも受けられ、自分のペースで学べます。」と上杉教授はMOOCの利点について話しました。京都大学は「生命の化学」を受講した優秀生の中から、1名を国費外国人留学生で受け入れる方針です。

【edXについて】

edXは米ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)が2012年に設立した非営利の教育機関です。


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