第5回WPI合同シンポジウムを開催しました。

 

2016年1月26日

 物質―細胞統合システム拠点(iCeMS:アイセムス)は、2015年12月26日(土)に第5回 世界トップレベル研究拠点(WPI)プログラム合同シンポジウム「実感するサイエンス」を京都大学百周年時計台記念館で開催しました。WPIプログラムは、優れた研究環境と高い研究水準を誇り、世界から第一線の研究者が集まる 「目に見える」研究拠点の構築を目指す文部科学省の事業です。本シンポジウムは、主に高校生を対象に最先端の科学とその魅力を伝えるためWPIプログラムに採択されている全9拠点が合同で、2011年から毎年開催しているものです。今回は一般を含め約400名を超える参加がありました。

 シンポジウムでは、日本科学未来館の科学コミュニケーターのヘイチク・パヴェル氏の開会トークに続き、WPI各拠点の3名の研究者の講演、京都大学の山極壽一総長の講演がありました。講演では、まずiCeMSの永田紅助教が、「コレステロールは憎まれ役?」と題し、細胞や分子のレベルで「善玉コレステロール」がどのように作られるか、細胞の“膜”や、“膜タンパク質”の研究と交えて講演をしました。その後、大阪大学免疫学フロンティア研究センター(IFReC:アイフレック)の山下和男助教が「コンピュータは『ウイルス』と戦う」、東京工業大学地球生命研究所(ELSI:エルシー)の高井研主任研究者が「ワンピースを求めて、世界の、宇宙の海へ」と題した講演を行い、特別講演では京都大学の山極壽一総長が、ゴリラ研究のフィールドワークについて語られました。

 その後のパネルディスカッションでは、「東大合格生のノートはどうして美しいのか?」等の著者、太田あや氏をゲストに招き、「研究ノート」をテーマに、講演者たちが各自のノートを披露しながら語り合いました。

 最後にiCeMSの北川進拠点長の挨拶の後、サプライズとして京都大学グリークラブが「もみの木」を合唱し、盛会のうちに締め括られました。

 各拠点を紹介するブースにも多くの来場者があり、iCeMSのブースでも研究ノートや京都大学の山極壽一総長が実際にフィールドワークで使用している道具に注目が集まっていました。ブース前では、iCeMSの研究者がニューズレター"Our World, Your Future"を配布しながら、実際の研究生活について学生達に熱く語る場面もみられました。


関連リンク


当日の講演の様子(ビデオ)

iCeMS 永田 紅 助教「コレステロールは憎まれ役?」
IFReC 山下 和男 助教「コンピュータは『ウイルス』と戦う」
ELSI 高井 研 主任研究者「ワンピースを求めて、世界の、宇宙の海へ」

写真

 

シンポジウム

 
開会トークにて学生に質問を投げかけるヘイチク・パヴェル氏   iCeMS 永田紅助教
 
IFReC 山下和男助教   ELSI 高井研主任研究者
 
京都大学 山極壽一総長   パネルディスカッションの様子
 
iCeMS 北川進拠点長   京都大学 グリークラブの合唱

ブース展示


ブース展示の様子
 
iCeMS展示ブース 研究者ノートの紹介   山極壽一総長の道具も展示
 
iCeMSカフェについて説明を行うiCeMS 水町衣里研究員   来場者からの質問に答えるiCeMS 永田紅助教
 
"Our World, Your Future"を手に語るiCeMS 古川修平准教授(左)とiCeMS 杉村薫助教(右)