【ノーベルウィーク】ノーベル賞記念MOFシンポジウムがストックホルム大で開催されました
12月8日から9日にかけて、スウェーデン・ストックホルム大の自然史博物館において、「International Symposium on MOFs – A Celebration of the Nobel Prize in Chemistry 2025(MOF国際シンポジウム — 2025年ノーベル化学賞を祝って)」が開催されました。本シンポジウムは、MOF(多孔性金属錯体)研究がノーベル化学賞を受賞したことを記念して企画されたもので、世界各国からMOF研究に携わる研究者が集いました。
初日の最初のセッションでは今回のノーベル賞の受賞者と関わりの深い研究者らによる講演が行われ、それぞれの研究人生と、受賞者との関わり、自身のMOF研究の歩みなどについて語りました。
セッションの途中で、同日に同学内でノーベル賞受賞講演を終えたばかりの北川進特別教授と、カリフォルニア大学バークレー校のオマー・ヤギー 教授が会場を訪れ、参加者に挨拶するサプライズもありました。北川特別教授は「MOFを愛する友人、仲間、そして若い人々に、こうして会うことができて本当に嬉しい」と喜びを述べました。思いがけないスペシャルゲストの登場で、会場は拍手と歓声に包まれました。
続くセッションでは、アイセムスの古川修平教授が登場し、「北川牧場(Kitagawa Ranch)」と題した講演で、北川教授とともに歩んできた約25年にわたる研究人生を振り返りました。京都大学に北川教授が着任した直後、学部生として研究室に加わった当時から、MOF研究がまだ広く知られていなかった時代の試行錯誤、小さな研究室での挑戦を経て分野が大きく発展していく過程までを紹介しました。自由に挑戦し、人が育ち巣立っていく研究室の文化が自然に伝わり、会場は笑いに包まれるとともに、長年にわたり築かれてきた人のつながりと研究への思いに深い余韻が残りました。
その後も、1日目、2日目を通して会場は終始和やかな雰囲気に包まれ、講演やパネルディスカッションが行われました。本シンポジウムは、ノーベル化学賞受賞を祝うとともに、MOF研究の歴史とそれに関わる人々の経験や思いが共有される、とても貴重な機会となりました。







