活動報告

2025年12月29日

【ノーベルウィーク】日本国大使館主催の合同記者会見が開催されました

ノーベル賞のメダルを披露する北川教授(左)と坂口教授

 12月11日、ストックホルム市内において、在スウェーデン日本国大使館主催の合同記者会見が行われ、今年ノーベル化学賞を受賞したアイセムスの北川進特別教授と、ノーベル医学・生理学賞を受賞した、大阪大学の坂口志文特別栄誉教授が出席しました。

 授賞式を終えての所感について、北川教授は、スウェーデン国王から直接メダルを受け取った瞬間に、受賞の実感が湧いたと語りました。特に、メダルを落とさないかという具体的な緊張があったことにも触れつつ、「非常に名誉で、感慨深い経験だった」と振り返りました。

 質疑応答では、日本の基礎科学を取り巻く体制についても話題に上りました。北川教授は、基礎科学は成果が現れるまでに時間を要する一方でその影響は極めて大きいとした上で、短期的な成果を重視する支援のあり方に対する懸念を示し、息の長い支援の重要性を強調しました。また、スウェーデンの科学支援に関わる文化に触れながら、若い世代が自由に挑戦できる環境を日本でも育んでいく必要があると述べました。

 北川教授は、今回の受賞を契機に、日本における科学文化のあり方について改めて考える必要性を訴えるとともに、基礎科学の価値が社会の中で共有され、次の世代が分野にとらわれず挑戦できる環境が育まれていくことへの期待が示されました。

2人揃ってのメダルの披露にたくさんのメディアがカメラを寄せた
授賞式を終えた感想を述べる北川教授(左)
日本の基礎科学を支える体制について意見を述べる北川教授