活動報告

2026年2月25日

北川特別教授がインドネシアで講演を行いました

 2026年2月5日、インドネシア・南タンゲランにあるインドネシア国立研究革新庁(BRIN)にて、京都大学iCeMSの北川進特別教授が記念講演を行いました。本講演は、北川教授の2025年ノーベル化学賞受賞を記念し、BRINの招待のもと、iCeMS共催により開催されたものです。講演では、北川教授の研究の歩みを振り返るとともに、その成果が世界の科学研究の発展に与えてきた影響について紹介されました。

 「The Usefulness of Useless: Fundamental Curiosity, Enduring Impact(役に立たないものの有用性:基礎的好奇心と持続するインパクト)」と題された講演では、多孔性金属錯体(MOF:Metal-Organic Framework)のような革新的な成果が、長年にわたる基礎的な好奇心の積み重ねから生まれてきたことが語られました。BRINからは、今回の訪問が日本とインドネシアの関係を強化する「科学外交」の推進につながるとのコメントが寄せられ、知識の共有を通じて次世代の研究者を刺激し、先端材料分野に取り組む研究者コミュニティの構築を目指す意義が強調されました。

 こうした連携はすでに、インドネシア群島が抱える現実的な課題の解決にも貢献しています。多くの島々から成るインドネシアでは、従来型のガスパイプラインの整備が難しい地域も少なくありません。こうした課題に対し、京都大学発スタートアップのAtomis、八千代エンジニヤリング株式会社、そしてBRINによる共同チームが、MOFを活用した新たなガス供給ネットワークの構築に取り組んでいます。高効率かつ可搬型の容器にガスを貯蔵することで、「地産地消」モデルによる安定したエネルギー供給を遠隔地にも実現し、研究室で生まれた科学が社会インフラの課題解決へとつながることが期待されています。

インドネシアで記念講演を行う北川教授
記念講演後、BRIN関係者とともに写る北川教授(中央)