グリーン多孔性材料ラボラトリの開所式をシンガポールで開催しました
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3月11日、アイセムスは、シンガポールの科学技術研究庁(A*STAR)の 物質工学研究所(IMRE)と共同で、グリーン多孔性材料ラボラトリ(LGPM)の開所式を行いました。本ラボラトリは 京都大学 On-site Laboratory のひとつで、シンガポールのIMRE内に設置されました。開所式はA*STARの施設にて開催され、午前中に研究発表セッションが開かれた後、午後に開所式が続きました。
午前中の研究発表セッションは、LGPMのラボラトリ長である、アイセムスの北川進特別教授の挨拶で始まり、北川教授はCOVID-19のパンデミックが明け、ようやくこうしたイベントを開催できることに喜びと感謝を表し、国際共同研究の必要性について述べました。
続いて、6人の研究者がそれぞれの研究を紹介しました。はじめにシンガポール国立大学のディーンズチェアであるDan Zhao准教授が発表し、続いて、LGPMの研究グループ1のリーダーである大竹研一アイセムス特定拠点助教、LGPMのグループ2リーダーであり IMREの先端バイオマテリアル部門長のJason Lim博士、株式会社Atomisの浅利大介代表取締役CEO、JEOL ASIA の及川 哲夫シニアプロダクトマネージャー、そして最後に、株式会社リガクの菊池貴博士が、続いて研究発表行うと、参加者からは熱心な質問が飛び交いました。
研究発表セッションの後、参加者らは昼食を取りながら今後の共同研究の可能性を話し合いました。
午後の式典は、京都大学の時任宣博理事・副学長が、シンガポールとの協力体制の重要性について語りました。続いて、A*STARのCEOであるFrederick Chew氏が、エコ材料の開発を進める上での今後の協力について話し、その後、Andy Hor教授が、AIを用いた持続可能な素材の開発に向けた、分野横断的な研究の必要性を語りました。
その後、時任理事とChew CEOの間で記念品を交換し、京都大学とA*STARの協力を約束しました。
続いて、上杉志成アイセムス拠点長が、自己組織化に焦点を当てて生命科学と物質科学の境界領域を研究するアイセムスのビジョンを紹介し、IMREのエグゼクティブディレクターであるLoh Xian Jun教授は、高度な素材と技術に力を入れるIMREの紹介を行いました。
上杉拠点長とLohエグゼクティブディレクターも、記念品交換を行い、アイセムスとIMREの間の強い結びつきが示されました。
開所式の最後は、ラボラトリ長の北川特別教授が、持続可能な未来のための材料科学を先導する上でのラボの重要な役割を説明し、世界的な課題への革新的な解決策の開発に向けて、決意を語りました。
また、式典の後にはお茶会が開かれ、参加者はリラックスした雰囲気の中、議論を深め、つながりを広げました。また、これと並行して、IMREの施設見学ツアーが行われ、参加者らは同所で行われている最先端の研究開発環境を見学しました。
式典には他に、日本の機関・企業(国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)、理化学研究所、日本貿易振興機構(ジェトロ)、日本電子株式会社(JEOL)、株式会社リガク、八千代エンジニヤリング株式会社、島津製作所)のシンガポールやアジア部門の代表者や、在シンガポール日本大使館や京都大学ASEAN拠点の代表者も出席しました。さらに、シンガポールの主要な大学の研究者らも出席し、共同研究への期待を寄せました。