The Director’s Vision 拠点長ビジョン

拠点長 北川 進

物質-細胞科学の統合に向けて

アイセムスでは、京都大学が得意とする細胞生物学、化学、物理学、数学の分野を超えた学際融合により、生命と物質の境界である研究領域を掘り下げ、究極的には、物質ー細胞統合科学という新研究領域の開拓を目指しています。

新領域を開拓するために

異なる分野の研究者が集うと、情報の共有や、価値観の統一化が難しいという意見もあるかもしれません。アイセムスでは、拠点が開拓を目指す領域に向けて、個々が異なる考え方、価値観を受け入れることで困難を克服し、さらには強みとしてきました。そして、今、新しい考え方、価値観が生み出されていることを実感しています。このような研究環境の中、アイセムスでは以下の研究領域に着目し、研究を展開しています。

アイセムスが開拓を目指す領域

1. 細胞の働きを化学で理解し、操作する物質を創製する

細胞は、数多くの化学物質を自己組織化し、協同的に相互作用させることで生命活動を維持しています。この細胞の機能の営みを理解するためには、解析に必要な化学物質・材料を作製し、それらを用いて細胞の解析を進める必要があります。そしてそこから得られた知見を元に細胞機能を操作する化学物質を創製しようと考えています。

2. 細胞の働きやしくみを物質により再現する

Richard Feynman教授の有名な言葉があります。「What I cannot create, I do not understand.(本当に理解したものは作れるはずだ。作れないならば、理解していない。)」つまり、深い理解は、物質を用いてつくることによって検証できるということです。細胞の働きやしくみの理解を深め、細胞に触発された新たな物質の創製を目指します。