一人ひとりの目線に合わせる
情報担当 特任研究員
津崎善晴
Yoshiharu Tsuzaki
研究活動を行ううえで、コンピュータやインターネットなどの情報環境を整えることは必須。研究者が日常的に利用するパソコンが、コンピュータウイルスの感染等で危険にさらされると、公開予定の学術論文のデータが漏洩して成果を他人に奪われたり、機密情報が漏洩したりして大学の信用問題に発展する可能性もある。情報担当の津崎善晴さんは、利便性と安全性を備えた情報環境づくりのために拠点内を奔走している。
一人ひとりの目線に合わせる
拠点内の情報環境をつねに考えることが、私の仕事です。部屋の用途が変わる、あるいは新しい機器が導入されるたびに、どうすれば研究者のみなさんが快適に利用できるかを想像しながら情報環境を整備しています。そのためには、日ごろの密なコミュニケーションが不可欠。実際に機器を確認しないとわからないような、細かな問い合わせにも対応しています。
情報機器の理解度は人によってさまざま。心がけているのは、会話のなかで質問者の意図をすばやく察知し、相手にあわせて最適な説明をすることです。工夫を凝らし、コツコツと経験を重ねてきたおかげか、今では多くの方から頼っていただけるようになりました。アイセムスでは研究者と職員とが互いをリスペクトする風土があります。一人の技術者として接してもらえるのはとても光栄で、仕事へのモチベーションに繋がっています。
情報の安全を守るために
セキュリティトラブルの原因は、わずかな油断から生じることが少なくありません。簡単なパスワードを設定して第三者にアカウントを乗っ取られるとか、怪しげなアプリをダウンロードしてウイルスに感染するとか。「自分は大丈夫」と思っている人ほど危ないんです。
情報セキュリティの啓発活動に努めていますが、限界があります。セキュリティ対策のおもな仕事は「マイナスをゼロ」にすること。研究成果のようにプラスの評価をされることが少ないので、どの大学も企業もコストをかけにくいのが現状です。情報セキュリティの重要性を、当事者に伝えるのはむずかしい……。でも、一人ひとりが意識すれば、セキュリティトラブルを未然に防げます。みなさんに安心して研究活動を続けてもらえるよう、これからもセキュリティ対策に万全を期します!
仕事内容
-
ネットワーク整備
・メールシステムや共有サーバなど、京都大学が提供する各サービスに接続するための準備 ・新しい研究室を立ち上げるさいの環境整備(インターネット接続など)
-
情報セキュリティに関する啓発活動
トラブルを未然に防止するために、ウイルス対策ソフトのインストールを推奨するなど、拠点内の情報セキュリティの意識向上を呼びかけ、個人の対応を促す。
-
情報セキュリティに関する調査・対応
京都大学情報環境機構からの依頼にもとづき、iCeMSの施設の情報環境について調査する。
-
問い合わせ対応
パソコンやシステムにトラブルが生じ、研究者あるいは職員が自力では解決できないことについて相談を受ける。メールで解決することもあるが、質問者に安心してもらえるように直接赴き、ケースバイケースで対応にあたることが多い。
制作協力:京都通信社
※本記事は、アイセムスのニュースレター「Our World Your Future vol.8」に掲載されたものです。所属などは、掲載当時のものです。