活動報告

2016年10月17日

【出展報告】ワークショップ:NHK Eテレ『考えるカラス』連動ワークショップ「ここから先をみんなで考えてみる」(2016年夏)

 2016年8月13日、ナレッジキャピタル ワークショップフェス2016 SUMMER にてNHK×滋賀大学×京都大学NHK Eテレ「考えるカラス」連動ワークショップ「ここから先をみんなで考えてみる」を開催しました。小学3年生〜6年生とその保護者の方を対象に参加者を募集し、初級編「お盆と風船」、中級編「ドローンとはかり」、上級編「ゴマ塩のつぶ」の3回を実施し、小学校3年生〜6年生のお子さんとその保護者25組(初級編:7組16人、中級編:8組16人、上級編:10組20人) のご家族に参加いただきました。

 ワークショップの進行は、初級編は滋賀大学教育学部 准教授/iCeMS科学コミュニケーショングループ 特任准教授の加納圭、中級編は滋賀大学教育学部4回生の加島靖之さん、上級編は滋賀大学教育学部4回生の土井祐磨 さんが務めました。まずは、NHK Eテレ『考えるカラス』の番組動画をみんなで見ます。初級編「お盆と風船」は考えるカラス第2回 の「考える練習」のコーナー、中級編「ドローンとはかり」は考えるカラス第12回 の「考える観察」のコーナー、上級編「ゴマ塩のつぶ」は考えるカラス第17回 の「考える観察」のコーナーの動画です。それぞれ、「お盆と風船が一緒に落ちるのはなぜ?」、「ドローンが秤の上からとんでいっても目盛りが変わらないのはなぜ?」、「ゴマ塩のゴマと塩がきれいに混ざっているのはなぜ?」という謎が出されます。そこでみんなでこの謎の解明に挑戦しました。

 お盆と風船、ドローン(ヘリコプターの代わり)と秤、木製の玉とビー玉(ゴマ塩の代わり)を使い、手や体を動かしながら、色々な方法を試していきました。最初に思いついた方法があまりうまくいかなかったり、もっと良い方法を思いついたり。自分の考えをまとめ、最後に、みんなの前で発表します。風が関係しているんじゃないのかな?水が関係しているかもしれないよ?どの子も素敵なアイディアを出してくれました。

 初級編にはiCeMS 北川進グループ 特定助教の樋口雅一さん(とその息子さんたち)、中級・上級編にはiCeMS影山龍一郎グループ 特定拠点助教の下條博美さんも参加していました。ワークショップの最後にはiCeMS研究者から参加者のみなさんへのメッセージ。樋口さんからは、「研究者は考えて試してみるということを毎日繰り返しています。その中で、今日みなさんが他の子の意見を聞いたように、自分以外の人がどんな意見をもっているかを聞くことはとても大切です。それが新しい発見につながっていくことがよくあります」。下條さんからは、「研究をしていると、仮説と違った結果が出ることも沢山あります。でもそれはとてもラッキーなこと。違うという結果から、次の仮説を考えることができます」。

 研究者は、何年も何年もかけて色々な謎を解いていくそうです。研究者が使っている「科学のやり方」は研究者だけのものではなく、みなさんが日常で使っている「考えて試してみる」という方法と同じ。「科学のやり方」を磨くと、研究者になれるかも!?

 このワークショップシリーズは定期的に開催しています。次回は、『考えるカラス』を見て一緒に考えたいと思っている人は、ぜひご参加ください。

 文・写真:iCeMS 科学コミュニケーショングループ