マクダイアミッド研究機構と共同でOn-site Laboratoryを開設しました
11月26日、アイセムスは、マクダイアミッド最先端材料・ナノテクノロジー研究機構と共同で、ニュージーランドのウェリントンに新たなOn-site Laboratory「データ・材料科学統合センター(iDM)」を開設し、開設記念セレモニーを開催しました。マクダイアミッド研究機構は、ニュージーランド国内の7つの機関の研究者が集まり、ニュージーランドをより持続可能な生活様式へと移行させることを目的とした研究を進めています。iDMは、アイセムスが5番目に開設したOn-site Laboratoryとなります。
セレモニーではまず始めに、アイセムスの副拠点長でありiDMの共同センター長である深澤愛子教授が「iDM開設は、アイセムスとマクダイアミッド研究機構のより緊密な連携に向けた大切な第一歩です。同センターが、アイセムス研究者にとって、ニュージーランドの多くの研究者とつながるためのゲートウェイとなることを期待します」と述べました。続いて京都大学の研究、評価、産官学連携担当理事であり、副学長である時任宣博教授がOn-site Laboratoryなどの京都大学の推し進める国際戦略について紹介し、高等研究院の森重文院長が、アイセムスを含む高等研究院傘下の各組織との連携により研究が発展することに期待を寄せました。
ヴィクトリア大学ウェリントン校の理学・保健・工学・建築・デザイン・イノベーション学部の副学部長代理であるEhsan Mesbahi教授は、「iDMは、データサイエンスを利用した材料発見をテーマに、当大学内にデータサイエンス設備を導入することを予定しており、より広範な協力関係を築くためのパイプ役となるでしょう」と述べました。
続いて、アイセムスの北川進拠点長が、同拠点が取り組む研究分野や拠点の研究環境などを紹介し、マクダイアミッド研究機構との共通する関心事や、お互いの強みにより相補的に研究が発展することを願う旨を述べました。
マクダイアミッド研究機構の共同ディレクターであるNicola Gaston准教授は、太陽光発電や光に反応する材料について注目していると述べ、両研究所の密接な関係を示す例として、深澤教授とマクダイアミッドの研究員であるNate Davis博士がすでに行っている、新素材の特性評価の研究を挙げました。
アイセムスの古川修平教授は、同拠点の国際連携の要を担う5つのOn-site Laboratoryと1つのプロジェクトユニットについて紹介し、これらの国際連携を通じて得られた経験を共有したいと述べ、ダニエル・パックウッド講師(iDM共同センター長)は、iDMが京都大学の国際的な関与戦略の一環として、新しい分子が太陽光発電材料としてどの程度機能するかを調べるアルゴリズムの開発など、すでに進行中の共同研究をより一層深めることを期待すると述べました。
約1時間のセレモニーは、両研究所が更なる連携による研究の発展のために協力しあうことを確認し、盛況のうちに終えました。